「RIASEC」という六角形のパーソナリティモデルが有名なホランド。
キャリアコンサルタント試験では第1回〜第14回試験までの間に12回登場しています。
今回はこのホランドの理論についてどこよりもわかりやすく解説していきたいと思います。
■目次
覚えておきたいホランドのキーワード
まずは覚えておきたいキーワード(キーフレーズ)について。
この言葉が出てきたら、ホランドを思い浮かべてみてください。
- パーソナリティと環境との相互作用、交互作用
- 6つのパーソナリティタイプ(RIASEC)
- 職業興味検査(VPI)の開発
次からはこれらのキーワード、キーフレーズについて説明していきますね。
パーソナリティと環境の相互作用、交互作用
ホランドの理論のベースにはこの考えがあります。
人間はパーソナリティと環境との相互作用によって発達すると考えているのです。
キャリアの理論家は発達段階を提唱することが多いですが、ホランドは提唱していないんですよね。
発達段階のように年齢で定まっているのではなく、環境との相互作用のなかで発達は進んでいくと考えているのではないでしょうか。
「RIASEC」と職業興味検査(VPI)
ホランドの理論と業績で外せないのは6つのパーソナリティタイプ「RIASEC」と職業興味検査(VPI)の開発。
職業興味検査(VPI)では6つのパーソナリティタイプのどの要素が強いか、わかるようになっています。
以下のように人間は6つのパーソナリティタイプに分けられると考えています。
職業興味検査(VPI)では次のような結果が出ます。
(『キャリアコンサルティング理論と実際』より引用)
5つの「行動傾向尺度」というのもわかるのですが、キャリアコンサルタント試験ではほとんど出題されていません。
「RIASEC」については以下のように六角形のモデルで示されることも多いですね。
距離が近いほど心理的類似性が高いとされています。(たとえば「企業的」と「社会的」は類似性が高いといえます。)
(『新版 キャリアの心理学』より引用)
ホランドの出題例(全て正しい文章)
ではここからは実際にキャリアコンサルタント試験でどのように出題されているのか確認していきましょう。
文章をそのまま引用してみました。(全て正しい文章です。)
【第2回】
・ホランドの考えた6つのパーソナリテイタイプは、現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的 の6タイプであり、環境も同様の6タイプに分類されている。
【第6回】
・人の行動は、パーソナリティと環境との相互作用によって決定されるという仮説を前提とする。
【第7回】
・職業興味検査(VPI)などのキャリア・ガイダンスのための具体的道具の開発につながった。
・人間は個人的特性と環境との相互作用の結果としててできがあがるものであり、人は社会的・環境的課題に取り組む独自の方法を身につけると考えた。
・パーソナリティを6つの基本的タイプに分けて、六角形に表した。パーソナリティ・タイプは、六角形 における距離が近いほど心理的類似性が高い。
これをみても「パーソナリティと環境の相互作用」やパーソナリティ・タイプ、職業興味検査(VPI)が大事なのがわかりますね。
ホランド理論の活かし方
最後に試験に直接関係はありませんが、ホランドの理論をどう活かせるかということにも触れたいと思います。
クライアントの情報整理に役立つ
クライアントの情報を整理する際に、「RIASEC」の枠組みは参考になるのではないでしょうか。
話をきくなかで、この人はRの要素が強いのかなとか、想像力を働かすこともできると思います。
自己分析、企業分析を促したいときに役立つ
クライアントに対して自己分析や企業分析を促したいときに「RIASEC」を使って説明することもできるかもしれません。
どんな仕事も複数の要素にまたがっていると思うので、その点もフォローできるといいかもしれませんね。
いずれにせよ型にあてめるというよりかは、考えるヒント、想像するヒントという形になると思います。
また、職業興味検査(VPI)は日本版があり、今でも活用されているのでホランドの理論に触れる機会はそういった面でもあるのではないでしょうか。
あらためてホランドのキーワードはこちら
ということで、ホランドの理論についてまとめてみました。
効率よく学科試験合格を目指したいのであれば、まずは人物名とキーワードをつなげることが大事です。
ホランドといえば・・・
- パーソナリティと環境との相互作用、交互作用
- 6つのパーソナリティタイプ(RIASEC)
- 職業興味検査(VPI)の開発
ですね。
この記事が試験対策などの参考になればうれしいです。
参考にした書籍はこちら
『新版 キャリアの心理学 [第2版]』著:渡辺 三枝子
『キャリアコンサルティング理論と実際 5訂版』著:木村 周
『キャリアカウンセリング』著:宮城 まり子
『キャリアカウンセリング再考』著:渡辺 三枝子