【2023年3月更新】キャリアコンサルタント試験の過去問で頻出度とポイントを解説!押さえておきたい人名と法律は?

キャリアコンサルタント過去問分析

キャリアコンサルタント試験に合格するためにクリアする必要のある4択の筆記試験。

50問中35問は正答する必要がありますが、試験範囲も広く、対策に時間がかかります。

そこでこの記事では、優先して勉強するべき分野を詳しくお伝えしたいと思います!

優先度の高い5つのキーワード

まず特に出題の多いキーワードとして次の5つをご紹介します。

  • ジョブ・カード
  • 雇用保険
  • セルフ・キャリアドック
  • キャリアパスポート
  • システマティック・アプローチ

ジョブ・カードは大問での出題が続いている

ジョブ・カードは第15回試験(2020年11月)〜第22回試験(2022年3月)まで毎回大問として出題されています。

どのようなツールか、メリット、電子化、教育訓練前にジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを受ける必要がある、といったところがポイントです。

雇用保険は大問でも選択肢としても登場する

雇用保険も最近大問で出題されることが多くなってきました。ただし、出題内容にばらつきはあるので、職業訓練など他のキーワードと絡めてチェックしておきましょう。

セルフ・キャリアドックも大問での出題が増えてきた

セルフ・キャリアドックも大問での出題が増えてきています。「キャリア研修とキャリアコンサルティング面談がセットになっている」「企業の活力・生産性向上と従業員のキャリア充実を両立することにつながる」というイメージをしっかり持っておきましょう。

キャリアパスポートは内容をしっかり把握しておく

キャリア教育の分野では新学習指導要領に基づくキャリアパスポートというポートフォリオが第17回〜第21回試験で出題されています。

  • ホームルームを含めた諸活動において行われること
  • 小学校・中学校・高等学校をまたいで引き継がれること
  • 引き継がれる際は原則、学年間は教師を通じて、校種間は児童・生徒を通じて行われること
  • 教師からの評価ではなく生徒自身の自己評価を促すこと
  • 学校だけではなく家庭や地域での学びも含まれること

以上の点をおさえておくと正答できる問題が多いです。

システマティック・アプローチは大問が多い

実技試験対策としても習うかもしれませんが、システマティック・アプローチは毎回のように大問で出題されています。

目標設定、方策の実行(特に自己管理)段階での出題が多いので、過去問でもしっかりと確認しておきましょう。

優先して勉強するべき3つの分野

ここからは毎回出題されている分野について。

この3つの分野に整理して勉強していくと効率がいいでしょう。

1.理論と人名(キャリア、カウンセリング) 

2.法律関係

3.アセスメントツール

1.理論と人名(キャリア、発達心理学、カウンセリングなど)

出題数が多く、覚えていないと正答できないので理論と人名は優先的に覚えましょう。

試験に出てきた回数をカウントしているので参考にしてみてください。

※表は右へスクロールできます。

⇒試験回数 登場回数(合計) 【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】 【11】 【12】 【13】 【14】 【15】 【16】 【17】 【18】 【19】 【20】 【21】 【22】
スーパー 45 3 3 1 1 3 2 2 3 2 4 1 1 1 2 1 3 4 1 2 5
シュロスバーグ 30 1 3 3 1 1 2 2 1 1 1 2 1 1 1 1 2 1 1 1 1 2
シャイン 27 2 2 1 2 1 2 2 2 2 1 2 1 1 2 2 1 1
サビカス 20 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 1 1 1
ロジャーズ 19 1 1 1 1 1 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2
クランボルツ 18 2 1 3 1 1 1 1 1 1 1 2 1 1 1
エリクソン 18 2 1 1 1 1 1 3 1 1 1 1 1 1 1 1
ブリッジズ 18 1 1 1 2 1 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1
ホランド 17 1 1 1 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
レビンソン 17 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 2 1 2 1
フロイト 15 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 1 1 2
ハンセン 13 1 2 1 1 1 1 1 2 1 1 1
ジェラット 12 1 1 1 1 2 1 1 2 1 1
バンデューラ 10 1 1 1 1 1 1 1 1 2
ホール 9 1 1 1 1 1 1 1 1 1
ギンズバーグ 7 2 1 1 1 1 1
エリス 7 1 1 1 1 1 1 1
パールズ 7 1 1 1 1 1 1 1
バーン 7 1 1 1 1 1 1 1
ヒルトン 6 1 1 2 1 1
パーソンズ 6 2 1 1 1 1
アイビー(アイビイ) 5 1 2 1 1
ハーズバーグ 5 1 1 1 1 1
マズロー 5 1 1 1 1 1
吉本伊信 5 1 1 1 1 1
ニコルソン 5 1 1 1 1 1
スキナー 4 1 1 1 1
ハヴィガースト 4 1 1 1 1
レヴィン 4 1 2 1
國分康孝 4 1 1 1 1
カーカフ 3 1 1 1
マーシャ 3 1 1 1
森田正馬 3 1 1 1
アドラー 3 1 1 1
アルダファ 2 1 1
ベック 2 1 1
マクレランド 2 1 1
ユング 2 1 1
ロー 2 1 1
シュルツ 2 1 1
ウォルピ 1 1
グラッサー 1 1
クレイマー 1 1
コクラン 1 1
スペンサー 1 1
ティードマン 1 1
ディンクレッジ 1 1
ハー 1 1
ブロンフェンブレナー 1 1
ボーディン 1 1
ホームズ 1 1
ホワイト 1 1
モレノ 1 1
レイ 1 1
平木典子 1 1
岡本祐子 1 1
カウント方法:本文、選択肢ともにカウント。同じ問いで複数回登場しても1とカウント。
頻出はキャリア理論ではスーパーやシャイン、シュロスバーグ。

第22回試験ではスーパーはなんと5回も登場しました。

発達心理学の分野ではエリクソン、カウンセリングではカール・ロジャーズが多いです。

カール・ロジャーズが提唱した来談者中心療法はキャリアカウンセリングの基本ともいえる部分なので、実技試験を想定して学習しておくといいでしょう。

2.法律関係

つづいてキャリアコンサルティングに関わる法律についてです。

こちらも回数をカウントしています。

※表は右へスクロールできます。

登場回数(合計) 【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】 【11】 【12】 【13】 【14】 【15】 【16】 【17】 【18】 【19】 【20】 【21】 【22】
労働基準法 27 1 1 1 2 1 2 1 1 1 1 1 1 2 1 1 2 3 1 2 1
職業能力開発促進法 22 1 1 1 1 3 3 1 2 2 1 1 2 1 2
男女雇用機会均等法 10 1 1 2 1 1 1 1 1 1
労働契約法 8 3 1 1 1 1 1
パートタイム・有期雇用労働法 5 1 1 1 1 1
障害者雇用促進法 5 1 1 1 1 1
(改正)高年齢者雇用安定法 4 1 1 1 1
労働安全衛生法 4 1 1 1 1
育児・介護休業法 3 1 1 1
学校教育法 3 1 1 1
若(年)者雇用促進法 3 1 1 1
労働施策総合推進法(旧雇用対策法) 3 1 1 1
(改正)労働者災害補償保険法 3 1 1 1
教育基本法 2 1 1
個別労働関係紛争解決促進法 2 1 1
障害者総合支援法 2 1 1
(改正)雇用保険法 2 1 1
労働組合法 2 1 1
学校教育法施行規則 1 1
学校教育法等の一部を改正する法律 1 1
刑事訴訟法 1 1
社会教育法 1 1
職業安定法 1 1
生活困窮者自立支援法 1 1
働き方改革関連法 1 1
労働時間等設定改善法 1 1
労働者派遣法 1 1
労働関係調整法 1 1

「職業能力開発促進法」はキャリアコンサルタントの定義などが記されているものです。

あとは「労働基準法」などの労働関係法令がメインですね。

カウントはしていませんが、労働関係法令や労働法といった形で具体的な法律名を出さずに出題されることもあります。

そして「雇用保険法」はあまり登場していませんが、雇用保険は頻出分野です。

3.アセスメントツール

理論と法律以外ではアセスメントツールも集計しています。

アセスメントツールとは個人についての情報を収集するための、心理テストのようなものです。

※表は右へスクロールできます。

登場回数(合計) 【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】 【11】 【12】 【13】 【14】 【15】 【16】 【17】 【18】 【19】 【20】 【21】 【22】
職業レディネス・テスト(VRT) 18 2 1 1 1 1 1 2 2 1 1 1 1 1 1 1
GATB厚生労働省編一般職業適性検査 17 1 1 1 1 1 2 1 1 1 1 1 1 1 2 1
VPI職業興味検査 11 1 1 1 1 2 1 1 1 1 1
キャリア・インサイト(統合版) 10 1 2 1 1 1 1 1 1 1
OHBYカード(カード式職業情報ツール) 7 1 1 1 1 1 1 1
エゴグラム 6 1 1 1 1 1 1
クレペリン検査 6 1 1 1 1 1 1
キャリア・シミュレーションプログラム(CSP) 4 1 1 1 1
Y-G性格検査 2 1 1
CADS&CADI 1 1

この3つの分野は実際に出題が多い

実際にこの3つの分野はたくさん出題されていることがわかっています。

厚生労働省が指定するカリキュラムをもとに出題割合を調べたところ、次のような結果が出ています。(第1回〜第14回を分析)

出題分野 出題数 割合 備考
1位 キャリアに関する理論 104 14.86% スーパー、シュロスバーグなど
2位 カウンセリングの技能・知識 84 12.00% ロジャーズなど
3位 人事管理及び労務管理の知識 44 6.29% 労働基準法など
4位 労働関係法令及び社会保障制度の知識 42 6.00% 労働基準法など
5位 職業能力の開発の知識 41 5.86%
5位 自己理解の支援 41 5.86% VRTなどアセスメントツール
7位 労働市場の知識 35 5.00%
8位 仕事理解の支援 34 4.86% VRTなどアセスメントツール

これを考えてもやはり「理論と人名」「法律」「アセスメントツール」が重要なのがわかるかと思います。

同時に過去問もとにかく解こう

ここまで過去問でどのような分野が頻出なのか紹介しました。

なかでも理論と人名は優先度が高く、同時に過去問も解いていくといいですね。

常識的に考えて解ける問題も多いので、その感覚をしっかりとつかんでいくことが大事です。

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