エントリーシートや履歴書などを作っているとき、書き方について迷うことはないでしょうか。
そういうときに参考にしたいのがこの『文章力の基本』です。
わたしはエントリーシートや履歴書のアドバイス、添削の仕事もしているのですが、この本に書かれていることはどれも押さえておいた方がいいことばかり。
細かい部分までのっているので、自分の文章が読みやすいかどうかを確認するためのチェックリストとしても使えます。
ここではわたし自身本当に大事だなと思う点を章ごとに紹介していきたいと思います。
(この『文章力の基本』は日本実業出版社さんよりいただきました。)
■目次
第1章 短く書く
エントリーシートに限りませんが、いろいろと内容を詰めこんでしまうと、結局何が言いたいのかわからなくなります。
ワンセンテンス・ワンメッセージの原則は基本的にどの文章にも当てはまるのではないでしょうか。
「一度にたくさん運ぼうとしない」
という表現で説明されていて、とても納得感がありました。
第2章 自然な正しい表現で書く
特に注意したいのが文の前半と後半をかみ合わせるということです。
この本では次のように説明されていましたよ。
主語と述語が一致していない
主語がいつの間にかかわっている
添削をしていると、ここでの修正がとても多いです。
第3章 言いたいことを明確にする
「言いたいことを整理して書きましょう」という内容が書かれているのですが、エントリーシートでは特に大切なことだと感じています。
エントリーシートの記入欄はスペースが限られているので、整理されずにだらだら書いてしまうとそれだけで大きな損失です。
削れる文章はないか繰り返しチェックし、もっと他に書きたいことはないか、粘り強く考えてみましょう。
第4章 分かりやすく書く
分かりやすく書くことは読み手(エントリーシートでは採用担当者)への配慮にもなります。
第4章では具体的にどのようなことに注意すればいいのかが掲載されていますよ。
特に意識しておきたいのは修飾語は直前に置くということ。
修正前:私は一番、娘が旅をしながら自分と父親とを比べている場面が印象的だった。
修正後:私は、娘が旅をしながら自分と父親とを比べている場面が一番印象的だった。
修飾語の場所を意識するだけでぐっと読みやすくなりますね。
第5章 簡潔に書く
第4章とも関わってきますが、簡潔に書くということは重要です。
採用担当者は数百、数千ものエントリーシートを読んでいるケースもあるので、読みづらいと思ったらその時点で読まれなくなることもあるからです。
いきなり核心に入る(結論から書く)
同じ言葉が続いて出てきたら、1つにする
同じ意味の言葉を重複して書かない
「という」を削る
すべて重要なポイントですね。
第6章 共感を呼ぶように書く
強調する言葉は控えめに使う
「とても」「本当に」といった言葉ですね。
言葉を言い換えられないか、もしくは具体的なエピソードで表現できないか考えましょう。
形容詞を使いすぎると具体性のない伝わりづらい文章になるので注意が必要です。
他にもエントリーシートでは「責任感がある」あど使い古された言葉を他の言葉で置き換えられないか考えるのも大切ですね。
(その言葉が自分の伝えたいぴったりの表現であれば問題なし)
第7章 表記とレイアウトにも心を配る
セリフや考えを「」でくくる
こういった細かい表記にもこだわると確実に読みやすくなりますね。
自分で満足のいく内容を書くのが大事だが…
私は「自分で満足のいく内容のエントリーシートを書く」のが何よりも大事だと考えています。
その「何を伝えたいか」を決めたあとに文章を整える際、この本が手元にあると心強いのではないでしょうか。
私自身もきっちりとした文章をつくる際には、チェックリストとして使っていきたいと思います。