『現職採点官が教える!合格面接術』を久しぶりに読んでみました。
やはり現職採点官の方がおっしゃることには説得力があり、公務員試験を受ける人にはオススメの本です。
ただ、少し違和感のある部分もあったので、この記事では併せて紹介したいと思います。
■目次
面接官は受験生をいろいろな角度から確認したい
現職採点官ということもあり、内容にとてもリアリティがあるなと感じます。
面接官の心構えなど、「なるほど!」「やっぱり!」と思うことも少なくありませんでした。
【P22】(面接官の心構えについて)受験生からできるだけ多くの情報を引き出そうとすることです。
面接官は受験生をいろいろな角度から知りたいと考えています。
エントリーシートの作成においては自分について様々な角度から書くように心がけましょう。
過去に関する記述が多くて、将来の展望に関することがまったくわからないエントリーシートも見受けられます。
内容のバランスがとれているかどうかもチェックすることが大切です。
意外性のある質問が増えてくる?
【p177】「最近の受験生は、面接慣れしている者が多い」という声が、面接官から多く聞こえてきます。
…そのため、最近の面接では、予想もしなかった質問を受験生に投げかけ、その反応で対応力や性格を判断したり、いわゆる圧迫面接を行ったりする自治体も出てきました。
私がいろいろな行政機関、自治体などを受験した経験からいうと、行政機関や自治体によるといった印象があります。
形式的だなという感想を抱いたところもあれば、本気で見抜こうとしているなと感じたところもありました。
今思えばただの準備不足だったのですが、「前職を辞めたときに上司に説明したと思うが、それを今ここで再現してほしい」と面接官からいわれたときは少し戸惑ったのを覚えています。
他にも面接前の待合室からチェックが始まっている(ように感じる)行政機関もありました。
素の姿をチェックしたいという思いはきっと多くの自治体、行政機関で共通だと思います。
インターネットにも情報はたくさんありますし、意外性のある質問は今後ますます増えていくかもしれませんね。
会話のキャッチボールが大切
よくいわれることではありますが、面接では「会話が成り立っているか」が1つの大きなポイントです。
これはお世話になったLECの先生も繰り返し言っていました。
【p27】最も重要な点は面接では会話のキャッチボールになっていることです。
【p31】面接では完璧さよりもリズムが大事
なぜ会話が大事なのか。それはやはり受験生の素の姿を確認したいからでしょう。
覚えてきたことをただ話すだけであれば、その受験生の人間性は見えてきません。
面接官が質問をする→長々とおぼえてきたことを話す だと面接(会話)のリズムは悪くなりますよね。
「面接では完璧さよりもリズムが大事」とおっしゃるのも納得です。
面接官に質問をさせることが大事
では面接でリズムよく会話をするにはどのようにすればいいでしょうか。
その答えは意図的に面接官に質問をさせること。エントリーシートにおいても、実際の面接でも「きいてみたい」なと思ってもらえるように意識することが大切です。
【p35】面接シートについても採点官の質問を誘うように記入することが求められます
【p119】自分が答えたいこと、聞いてほしいことを、面接官に質問させるように答えることが大事
ただ、いい例として出されていたこの文章↓はやや短すぎて、具体性が足りないと私は感じるのですが、いかがでしょうか。
【p119】最初の答えはあえて短くして「福祉の仕事をしてみたいので、志望しました」ぐらいで十分です。
面接官に質問させるといっても、100%きいてくれる保障はありません。
このままスルーされた場合、「いいたいことを伝えられなかった」と消化不良になりかねません。
それにアバウトすぎ、あっさりしすぎな内容だと熱意がなさそうに映り、面接官からすると質問もしづらいのでは?と私は思います。
私は志望動機に関しては「◯市がやっている△△の事業に携わりたい」などと言うのがちょうどいいのではないかなと思っています。
詳しくはこちらの記事をご確認ください。
志望動機は重要
民間企業では「志望動機はあまり重要ではない」と考える面接官が多くいます(参照:なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?)が、公務員に限ってはそうではないのかもしれません。
【p123】面接の最初に志望理由を聞くのがほとんどですが、感覚的にはここで受験生の8割方の印象が決まるといっても過言ではないと思います。
熱意をアピールできるように、志望度の低い自治体であってもしっかりリサーチをしておきましょう。
関連記事はこちら↓
盛り上がるところで、盛り上がれるか。加点を狙う姿勢が大切
面接でリズムよく会話ができると、話が盛り上がることもあるでしょう。実際、盛り上がった面接は高評価につながりやすいようです。
【p15】面接室入室からしばらくはきちんと手は膝の上に置いているものの、面接官との話がノッていくと、だんだん手振り身振りが加わっていく……、そんな面接はよくあることです。そうした面接は、だいたい高い評価で終わることが多いように思います。
【p59】「面接で失敗しなくてよかった」ではなく、「面接官に共感してもらった」、「面接で話が盛り上がった」、「自分のことをきちんと伝えられてよかった」などの感想を受験生が持つぐらいが合格ラインなのです。
学生時代に力を入れたこと、趣味や特技といった質問では特に「いかに盛り上がれるか」を1つの判断基準にして内容を決めるといいでしょう。
【p154】面接全般についてですが、「面接官と楽しく話ができた」をめざしてほしい
このなかで、「オナラが生み出した一体感は今も忘れられない思い出です!」がいい例として出ているのですが、さすがにリスクが大きい気がします。
自分らしさが一番出ているエピソードだといえるのであれば、もちろん候補に入れてもいいとは思うんですが、そのあとで話が盛り上がるように思えないです・・・笑
究極の判断基準とは
会話や志望動機が大事だといっても、最終的には面接官に「この受験生と一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるかにかかっています。
能力があるからといって採用されるとは限りません。
【p47】ある意味で究極の判断基準は、「この受験生と一緒に仕事をしたいか?」と言ってもよいかと思います。
言い過ぎ?「取りつくろった回答は必ずバレる」
ほとんどの面接本で書かれているのがこの「ウソはばれる」という内容。
【P56】取りつくろった回答は必ずバレる
現職採点官という立場上、このように言わざるを得ないというのもあると思います。
「ウソはばれないこともある」などと言ってしまうと、ウソをいう受験生が続出し、受験生の真の姿を見れなくなってしまうからです。
ただ、現職採点官も人間なので、全てを見抜けるわけではないでしょう。
面接でウソをついていいかは、こちら↓の記事を参考にしてください。
ウソはつかないほうがいいですが、「絶対にウソはばれるから、ウソを少しでもついてはいけない」などと極端な考えをしない方がいいと私は思います。
総合するとオススメ!
細かいところで違和感のある部分もありますが、率直に採用について語ってくださっているという印象があり、とてもオススメできる1冊です。
左のページがマンガ、右のページで説明というように読みやすい構成になっているのもうれしいですね。
公務員試験の勉強に少し疲れたとき、この本を読んでリフレッシュするのもいいのではないでしょうか。