エントリーシート(ES)を書いていると、どれぐらい正直に書いたらいいか悩むのではないでしょうか。
「できる限り嘘は書きたくないけど…」と迷うことも多い思います。
今回はエントリーシート上の嘘(脚色)について、考えをまとめてみることにします。
結論から言うと
- 自己PRで嘘をつくのはおすすめできない
- 志望動機なら許容できる
と考えています。
■目次
自己PRで嘘をつくのはおすすめできない
自己PRで嘘をつくのはおすすめできません。
たとえば事務処理が苦手なのに得意と言ってしまうと、たとえ内定を得られたとしても仕事をしてから苦労することになりますよね。
嘘をつくことで雇う側も雇われる側も不幸になる可能性が高まります。
このような自分の能力、性格の根本に関わる部分で嘘をつくことは絶対よくないですね。
企業(団体)の求める人物像に合わせる必要はあるか
自己PRについて、「企業の求める人物像に内容を合わせた方がいいですか?」という質問をたまに受けますが、私は合わせる必要はないと考えています。
なぜかというと、採用のポイントは「求める人物像に当てはまっているかどうか」ではなく「好感度」にあるからです。
採用のコンサルティングなどもしているメンタリストDaiGoさんも著書『面接官の心を操れ! 無敵の就職心理戦略』のなかでこのように言っています。
「面接する人は、単に好感度だけで合否を決めています。実際にその人が有能かどうか、とは関係なしに、「どれぐらい好感度を与える人間か」によって面接の結果は決まるのです。それは私の経験上の結論であり、心理学者や社会学者による実験の結論でもあります」
エントリーシートで大事なのは自分の個性を採用担当者に知ってもらうこと。
今ある自分の強みをどのようにアピールすれば相手に届き、好感を持ってもらえるかを考えましょう。
志望動機であればある程度の脚色は仕方ない
一方、志望動機であればある程度の脚色はやむを得ないと感じています。
第一志望、第二志望、第三志望…と選択肢が複数である人が多いですが、その全てにおいて志望動機が明確であるケースは少ないのではないでしょうか。
志望動機は湧いて出てくるものではなくて、ほとんどの人にとって作り上げていく必要のあるもの。
具体的には志望先の仕事内容と「実現したいこと」「強み」「経験」などとの共通点を探して、志望動機にしていきます。
100%の嘘をつくのではなく、志望先と自分の重なる点をいろんな角度から探してみて、場合によってはそこに少し脚色を加えるということですね。
もちろん志望動機づくりがあまりにも進まないようであれば、「本当に自分はそこで仕事をしたいのか」と見つめ直すことも大切です。
嘘はバレないことが多いのは事実
嘘をつく(脚色する)とバレるのではないかと不安になることもあるかもしれません。
多くの就職本、転職本では、「嘘をついても面接官にバレる」と書かれています。
でも、これはちょっと言い過ぎではないでしょうか。
私は企業で働いていたとき、採用担当者が「あの子を採ろうかな、どうしようかな…」と悩んでいる姿をよく見ていまいた。
採用担当者も一人の人間であって、簡単に相手を見透かすことはできません。
『面接官の心を操れ! 無敵の就職心理戦略』でもこのように書かれています。
面接をする企業の側に立ってみてつくづく思ったこと。それは、面接官の能力は極めて限定されている、ということでした。
被験者が他人の噓を見抜ける確率はたったの54%だったそうです。つまり、運頼みでコインの裏表を当てる程度には噓を見抜くことができる
警官、裁判官、精神科医といった聴取や分析を日常的に行っている人々であっても、ほぼ五分五分の確率でしか見抜けられない
自分で納得のいくESを作ることが何よりも大切
自分で納得のいくESを作ることが何よりも大切だと思っています。
多少脚色されたとしても、自分の個性があらわれているいいエントリーシートだと思えるのであれば、それでいいのではないでしょうか。
なかには自分の本音をそのままの形で書き、「本音すぎますかね…」と質問されることもありますが、そのような質問をする時点でそのエントリーシートに納得がいっていないことが伝わってきます。
無理して本音100%で構成する必要はないですよね。
自分で納得の行くエントリーシートを書くことを何よりも優先させましょう。