キャリアや働き方に関する本はたくさんあるので、何を読むか迷うこともあるのではないでしょうか。
この記事ではわたし自身が読んでおもしろかったキャリアについての本を著者別に紹介したいと思います。
■目次
雇用問題の専門家 海老原 嗣生さんの本
雇用問題の専門家である海老原さんの本は読みやすいですし勉強になることばかりです。
特におすすめなのが『日本で働くのは本当に損なのか』。
日本型キャリアと欧米型キャリアの比較がとても興味深かったので、表でまとめてみました。
日本型キャリア | 欧米型キャリア |
---|---|
能力にしたがって基本給が決まる | 「営業職の給料」など職務によって給料が決まる |
社内での異動がしやすい | 社内での異動がしづらい |
転職しづらい(新卒一括採用の文化) | 同じ職務なら転職しやすい |
成果給で差がつきづらいが、後輩指導の風土がある | 成果給で差がつきやすいが、後輩指導の風土はない |
「日本では転職が難しい」と理解していても、かわりに「異動しやすい」面があることはあまり知られていません。
転職ではなく異動という形で再チャレンジしやすい仕組みがあるということは、相談場面でも意識しておきたいですね。
クライアントの話をきいているときに、職をかえることや今の業務を続けることだけが選択肢なのではなく、異動についても触れることが大切です。
「異動というと大企業だけでは?」と思うかもしれませんが、中小企業に関してはこのような提言をされています。
全中や商工会に、地域の企業が集まって、自社で適正な職場がないけれど他社ではぴったりなポジションがある人材を、交換し合うような場を設けてはどうか。
人材の確保が難しい中小企業でこのような仕組みができれば、若い人も入社しやすいかもしれませんね。
海老原さんはエントリーシートの本も書いている
エントリーシートのことを知りたいのであれば、『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』もおすすめ。
実は志望動機を企業の人はあまり重視していないという、少し驚く内容が書かれています。
▼エントリーシートの添削やアドバイスの仕事でかなり役立つので、こちらで紹介しています。
堀江貴文さんの本
10代〜30代の人を相手にするのであれば、堀江さんの本は外せません。
「好きを仕事に」ということはいろいろなところで言われていますが、その発端は堀江さんだとわたしは思っています。
たくさんある著書のなかでオススメは『ゼロ―なにもない自分に小さなイチを足していく』。
異端児という印象もあるかもしれませんが、読むとガラッと印象が変わるはずです。
ゼロの状態から1つ1つ積み重ねてきたこと、「時間とは命そのもの」など、刺激的なエピソードや大事にしたい言葉がたくさん詰まっていました。
『本音で生きる』も良かったですね。
何をやっても長続きしない飽きっぽさは、逆にいえば、一つのことに縛られずいろんなことにチャレンジできるという長所にもなる
このような考えは転職経験が多いクライアントと話をする際にも役立つはずです。
海外の情報を知りたいのであれば『君はどこにでも行ける』も読んでおきたい本です。
今の日本の現状を海外との対比で知ることができますよ。
『君がオヤジになる前に』ではここが印象に残りました。
働き盛りが40代からなんて、誰が決めた?
…刻一刻と、人生の最盛期は過ぎている
堀江さんの本は、本音を大切にできていなかった自分に、本音で生きることのすばらしさを教えてくれました。
受験や就活専門のライター 石渡 嶺司さんの本
受験や就活専門のライターである石渡 嶺司さんの本もわたしは好きでよく読んでいます。
わたしが予備校で働いているときには、保護者講演会で話すネタを石渡さんの本から拝借したり・・・。
大学や高校などでキャリアカウンセラーをしているのであれば、特におすすめです。
その石渡さんの最新本が『大学の学科図鑑』。
たくさんある大学の学科を丁寧に説明している本です。
学科に関連する仕事がどのぐらい必要とされているのかにも触れられているので、最近の仕事の需要についてもよくわかります。
人気ブロガー ちきりんさんの本
「社会派ブロガー」でChikirinの日記の運営者ちきりんさん。
証券会社や外資系の企業で勤められていた経験があり、今はブログ運営や執筆活動をされています。
ちきりんさんの本やブログは基本的にどれもおもしろいんですが、特におもしろかったのが『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』。
一生の間にふたつの異なる働き方を選べるものだと考えようよ!
人生の中盤で働き方をリセットして、「元気な限りそこそこ稼げる態勢を、一定年齢(40代)をめどに整えよう」と伝えています。
すぐにフリーランスになることや起業することを勧めているわけではない点がユニークですよね。
他にも「100年生きるリスクもあれば、10年後に死ぬリスクもある」など、はっとさせられる内容も多かったです。
長くなるので掲載できないですが、「キャリア形成における5つのシナリオメソッド」というお話は本当にためになりました。
幅広い視点からクライアントの本音をききたいのであれば、その部分だけでも読みましょう。
メンタリスト DaiGoさんの本
採用面接で悩むクライアントと話をするときに役立つのが『面接官の心を操れ! 無敵の就職心理戦略』。
企業の採用活動にもコンサルタントとして携わっているDaiGoさんが書かれています。
DaiGoさんは科学的な根拠を重視しているので、どの本も信頼感があります。
この本では、面接官でもウソを見抜くのは難しいなど、元人事担当者などであれば書きづらい内容も含まれていて、納得感がありました。
面接をする企業の側に立ってみてつくづく思ったこと。それは、面接官の能力は極めて限定されている、ということでした。
よくある就職本では「面接官にウソは通用しない」と書かれていますが、それを否定しています。
私も企業で働いているとき、上司が採用で選考を通すか通さないかで悩んでいる姿をたくさん見てきました。
面接官も悩みながら選考しているということは、キャリアコンサルタントやクライアントも知っておくといいでしょう。
面接官も同じ人間だということに納得できれば、面接でも会話のキャッチボールをしやすくなるかもしれません。
他にも「面接する人は、単に好感度だけで合否を決めています。」という内容など、かなりリアリティのある内容になっています。
岸見一郎さん、古賀史健著:『嫌われる勇気、幸せになる勇気』
アドラー心理学を青年と哲人の会話形式でわかりやすく示した大ベストセラー本『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』もおすすめです。
特に承認欲求の話は心に残りました。
アドラー心理学では、他者から承認を求めることを否定します。
承認欲求を通じて得られた貢献感には、自由がない。
↑『嫌われる勇気』より
ほめられることでしか幸せを実感できない人は、人生の最後の瞬間まで「もっとほめられること」を求めます。
あなたの価値を決めるのは、ほかの誰かではないのです。
↑『幸せになる勇気』より
認められたいという欲求が強い人は、自分で自分を認められていない傾向が強いです。
承認欲求が強すぎて自分の本音を意識できていないのであれば、それは大きな問題につながりかねません。
自信がないゆえに承認欲求が強いと感じるクライアントと接する際、参考になると思います。
そして、今を大切にするという点もしっかりおさえておきたいです。
われわれはもっと「いま、ここ」だけを真剣に生きるべきなのです。
エネルゲイア的な視点に立ったとき、人生はつねに完結しているのです。
↑『嫌われる勇気』より
(とはいっても、長期的な視点を持つことも大事だと思います。悩んでいる人のほとんどが、目の前のことに意識が行っていて、長い目でものごとを捉えられていないと感じるからです。)
あなたが「一番輝く」仕事を見つける 最強の自己分析
自己分析に関する本はたくさんありますよね。
そのなかで一番おすすめなのがこの『あなたが「一番輝く」仕事を見つける 最強の自己分析』。
自分の本音を大事にする、自分の心の内側から湧き出る喜びの源泉を大事にしようという内容が書かれていて、ワークシートも充実しています。
ワークシートといっても自由度がかなり高いので、素の自分を思いっきり書き出すことができます。
自分で自分に質問を投げかけるスタイルになっていて、自分の本音が明確に見えてくるように感じました。
今の時代に合った自己分析本として、この本はオススメです。
おすすめの本は随時追加していきます
今の時点でのおすすめ本は以上です。おすすめの本は随時追加していきたいと思います。
今回紹介したおすすめ本一覧
- 『日本で働くのは本当に損なのか』
- 『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』
- 『ゼロ』
- 『本音で生きる』
- 『君がオヤジになる前に』
- 『君はどこにでも行ける』
- 『大学の学科図鑑』
- 『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』
- 『面接官の心を操れ! 無敵の就職心理戦略』
- 『嫌われる勇気』
- 『幸せになる勇気』
- 『あなたが「一番輝く」仕事を見つける 最強の自己分析』
▼筆記試験の過去問を分析した記事はこちらです。
▼実技試験(ロールプレイング)の対策記事はこちらです。
▼実技試験(口頭試問)の対策記事はこちらです。